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肝機能と栄養素(ビタミンB6・亜鉛)の意外な関係 part2.

  • m1492122
  • 6月15日
  • 読了時間: 3分

📉 ASTやALTが“低い”という結果は、栄養不足のサインかも!

前述(part1.)のように、ASTやALTの数値は、単なる肝機能だけではなく、体の中の栄養状態を映し出す鏡とも言えます。
それではここから、皆さまにとって重要なポイントを簡単にご紹介します。
肝機能の数値が「低い」⁉️ 実はビタミンやミネラル不足が原因かもしれません

🍀 AST・ALTは「高い」だけじゃない、「低すぎ」にも注意!

肝機能の代表的な数値、AST・ALT(肝トランスアミナーゼ)。「高いと異常」と思われがちですが、実は“低すぎる”ことも要注意です。

🔍 その低さ、ビタミンB6や亜鉛の不足かもしれません!

  • AST・ALTはビタミンB6と亜鉛の助けで働く酵素です。

  • これらが不足すると、酵素がうまく働かなくなり数値が下がることがあります。

  • 健康診断で「肝機能が低め」と言われた方、栄養状態を見直すサインかもしれません。

📉 AST・ALTが低下する主な原因

  • ビタミンB6不足(加工食品・偏った食事など)

  • 亜鉛不足(吸収障害・アルコール・糖質過多など)

  • 慢性疲労・飢餓状態・高齢者の栄養不良

  • 進行した、あるいは過去の肝疾患や腎障害

💡 ビタミンB6と亜鉛の役割とは?

  • ビタミンB6(活性型:PLP) → AST・ALTが正常に働くために必須です。

  • 亜鉛 → B6を活性化させ、肝細胞や抗酸化機能もサポートします。

🧪 当院でできる検査とアプローチ

  • 栄養解析検査(血液)で、B6や亜鉛の状態をチェックできます。

  • 必要に応じて、栄養補充による体質改善をご提案。

  • 経時的な臨床検査でサポートします。

こんな方は一度ご相談を!

  • 健診でAST・ALTが低めだった

  • 慢性的な疲れ・肌荒れ・集中力低下がある

  • 偏った食生活(パン・麺中心、加工食品が多い)

  • アルコールをよく飲む

🏥 肝機能の低下、「栄養のサイン」を見逃さないで

肝臓は沈黙の臓器。異常が出る頃には進行していることも。**ASTやALTの“低下”**も、あなたの体からのメッセージかもしれません。

🔽 少しでも気になる方は、ぜひお気軽に外来へご相談ください。

栄養素

目的

推奨量(目安)

備考

ビタミンB6(ピリドキサールリン酸)

トランスアミナーゼ活性の補助因子

20〜50mg/日(上限100mg程度)

活性型(PLP)で補充することで肝機能依存を回避

亜鉛(Zn)

B6の活性維持、酵素合成補助

15〜30mg/日(Zn単独として)

ピコリン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛など吸収性が高い形で

マグネシウム

補酵素活性の補助、B6の細胞内利用促進

250〜400mg/日

クエン酸Mgやグリシン酸Mgなど吸収良好な形で

タンパク質(アミノ酸)

トランスアミナーゼの基質となる

1.0〜1.2g/kg/day

消化吸収に配慮し、ホエイや加水分解プロテインを併用することも検討

ビタミンB2, B3

B6やZnと協調作用、エネルギー代謝の補助

B群複合剤で補充(B50, B100など)

B6単独では他のB群欠乏を誘発しやすいため注意


 
 
 

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